2Bに写真を持っていく

渡部さんにこの前焼いた大四つをもっていく。
「ハナモクレンのプリントが一番気になるねえ」とはいわれる。そのときはそれまで。そのあとIさんにプリントを見せているときに横から「ここまでプリントが出来るようになりました、って言うプリントだねえ」とバッサリ切られる。Iさんがあるプリントを見て「これいいですねえ」と言ってくれたのだけど「この写真をどうつなげるかだよ」とまたもばっさり。
まだ時間があるからか、この後どうしろと言う課題はなし。要するにまだまだ先に進める写真ではないと言うことだ。


渡部さんを囲んで話しているときには、耳を澄ませていないといけない。
面と向かって言うと凹みそうな言葉は他の話の中で一般論として語るからだ。今回も「写真は一枚一枚見ても意味ないじゃない」といわれてしまった。つまりはちゃんと形になるものにしてから持ってこいと言うことだろう。「写真は一枚じゃ意味がない」、「一枚写真はブレッソンでおわった」、というのはいつも渡部さんが言うことだけど、いつまでもプリントを見せにいくだけじゃなくて、自分が何かを表現した「写真」、自分でしか撮れない写真を撮らなければいけないと言うことだね。


テーマを持って写真を撮るという方法は最初からは難しいので、まずは好きな写真を撮ってその中からテーマをみつける方法をとったほうが楽だよ、なんてことをおっしゃってたので、それに甘えていたのかもしれない。渡部さんに見せるからには渡部さんの時間を少し頂くのだと言う姿勢をもってみせないと。とにかく自分が何を撮りたいのか、自分の写真を見直しながら考えなくては...って前から考えてはいるんだけど、これがなかなか...。写真を撮るという行為は、実は撮るまでの準備がすべてということが少しわかってきた気がする。ここで思う存分苦しもう。