畠山直哉「アンダーコンストラクション」

UNDER CONSTRUCTION―「せんだいメディアテーク」写真集

UNDER CONSTRUCTION―「せんだいメディアテーク」写真集

の対談企画。せんだいメディアテークの工事中の依頼写真をベースにアートという枠の写真の話をするという試みだと思った。見に来る人が写真寄りじゃなく建築寄りだからこそのテーマかなあ。「写真にはすべてが写っていて見ればすべてがわかるのか?」というとてもプリミティブな問いについて畠山は「そうは思わない」という。この『アンダーコンストラクション』も自分でもそれが何かをわからずに撮っている撮影対象が、(設計事務所の)古林さんだからこそ写っているものが何かわかる、という一義的なことでさえ写真の見え方がある瞬間変わっていく。その変わっていく瞬間のカタルシスとでも呼べるようなものが大事。建築写真と(畠山の撮る)建築写真(の枠にも入るもの)との違いを考えればアートな写真ってそういったものを持ってない?と問いかけているように聞こえた。このカタルシスを感じさせるため仕掛けが古林さんだったのだろう。それを考えれば今回時間の関係で外したという「『アンダーコンストラクション』は写真作品と呼べるのか?」の答えも見える気がする。