常見藤代写真展 「Becoming the Legend」−砂漠の荒野に生きる−

http://konicaminolta.jp/about/plaza/schedule/august/gallery_c.html#1

入ったとたん常見さんに「カメラ持ってますか?」と呼び止められる。えーっと、まだ写真も見てないんですけど(苦笑)。どうも友達と記念撮影をしてほしいみたい。快諾して会場を一回り。


砂漠の厳しい自然と生きる老女は、文明社会とは隔絶した生活を送っている。厳しい自然の中一人で生きる彼女の笑顔は、まるでコドモのようだ。すぐ近くに生きていくには便利な都会が存在しても、彼女の美しい生活は変わらない。厳しくても彼女はその生活の美しさを知っている。彼女は自分が世界の一部であることを当たり前のように受け入れ、厳しい自然さえ彼女の生活の一部になっているのだ。人が欲した便利で済みやすいはずの世界が人を、厳しいが美しい世界から遠ざけている。この皮肉な状況から文明を批判するのは簡単だ。でも、この後戻りできない場所からどうやって出て行けばいいと言うのだろう。

僕がファインダーをのぞくのは、ファインダーの向こう側にある世界が美しいからだ。こぼれ落ちる美しい世界の断片をフィルムに定着していくのが楽しいからだ。しかし、定着した光景はあくまで世界の断片であり、彼女の生活のように不可分のものではないのだ。


なーんて思った。

会場を一回りしたところで、常見さんに記念撮影に呼ばれた。
三脚にすえられたF100のファインダーをのぞいた向こうには見たことのある男性が....

えーっと、友達じゃなくて椎名誠さんですくわッ!記念撮影苦手なので、とりあえずシャッターを押して逃げるように会場を去った。ウマく撮れてなかったらごめんなさい>常見さん。