ブラッカムの爆撃機

ブラッカムの爆撃機―チャス・マッギルの幽霊/ぼくを作ったもの

ブラッカムの爆撃機―チャス・マッギルの幽霊/ぼくを作ったもの

子供にちゃんと戦争の真実を美しくも汚くも曲げずに伝えるという、本当に難しいことをさらっとこなしている。宮崎駿の挿絵(?)のおかげで、爆撃機内のやり取りをより具体的に感じることが出来た。その挿絵のなかでウエストールと宮崎駿の(架空の)こんなやりとりがある。

「ウエストールさん、あなたは間に合えばですが、爆撃機のクルーに志願しましたか?」
「そうしたとおもいます。あなたは?KAMIKAZEは…」
「おそらくそうしたとおもいます。虚勢を張って震えながら」
「…少年の忠誠心を否定してはいけません。煽ったり利用したりするのは論外ですが、少年たちの勇気は、本来悲劇的なのです。しかしこの世界の重要な一部なのです。」

このやりとりにはその時代を生きた人のリアルを感じる。
つぎは「弟の戦争」を読む予定。

弟の戦争

弟の戦争